故郷

今私に出来ることは、あなたのことを思い出すことだけ。
少し寒さが混じった風が吹き、歩く私を勇気づける。
葉っぱが少しずつなくなりだした木の間からちらちらと、
青空が気を紛らわせる。
 故郷がいつも、呼びかける。みんなのところへおいでと。
そして、かってあなたが住んでいたところへと。
故郷はそこにある、今は遠く離れてしまったそこに。
 私はどこを歩いているのだろうか。何を捜しているのだろう。
私の傍にいて教えてほしい、あなたとは昔友達だったと。
 まだ日の光は強いが、風が木を渡って去っていく。
汗ばんだ体を通り過ぎていく。
見上げた頭上に冷たく空が広がる。


'10年10月19日
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